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zoom RSS 躁うつ病を生きる―わたしはこの残酷で魅惑的な病気を愛せるか? ケイ・レッドフィールド ジャミソ著

<<   作成日時 : 2006/11/23 18:21   >>

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うつ病に関する本は数多く出版されています。一般向けの解説書、患者さんの体験記、克服の為の様々な方法・・・出版物の中では一番多いくらいでしょう。うつ病は心の風邪と言われて久しく、早期発見し、薬物療法を受ければ○ヶ月で治る!みたいなことが本を初めとする、各種メディアでどんどん空虚な情報が垂れ流しされています。
「うつ病」とひとくくりにいっても、その中は非常に裾野が広く、さまざまな病態が存在します。確かに、オーバーワークで疲弊してうつ状態になり、性格、環境などの背景の問題が複雑ではない方の場合は、薬を飲んでゆっくり休めば、わりと短期間で回復するのも事実です。
しかし、中には長期のうつ状態から抜けられない方、大変つらいうつ状態と気分が軽くなり解放されたと感じる軽躁状態を繰り返す方、などマスコミで言われるほど簡単にはいかない場合が少なからず存在します。そういう人たちにとっては、「短期間で治る」というような宣伝の仕方は、残酷に響くでしょうから、今のような「早く気づいて、早く薬を飲めば、何の心配もないよ」みたいな宣伝ばかりするのはいかがなものかと思ってしまいます。
うつ病も他の病気も、文化・社会環境の影響を受けないものはありません。かつて、働き過ぎの日本人と言われていた時代の病気、今のように、先の見えない不安にさいなまれ、どう頑張っても達成感が得られないつらさ、時間と情報がめまぐるしく交錯し、一定の価値観、社会が共有できる価値観が見いだせず、何をすればよいのか見えにくい時代、人と人との深いつながりというより、振り落とされることを恐れる人間関係・・・などなど、そんな時代の影響を受けてか、かつて多かった単極性うつ病より、うつ状態と軽そう状態が混在する双極性障害U型という病態が注目されています。
この本の著者は、女性の精神科医です。助教授になったときに躁うつ病を発症し、その後の病気との闘いがつづられています。先に書いたように、うつ病体験記は多いですが、躁状態について克明に書かれた体験記は少ないと思います。この本にあるように、外から見れば、奇妙な行動にしかみえず、一歩間違えば、それが避難の的になってしまうのですが、本人自体が、自分の気分の変化に振り回されているのです。また本にあるように、今体験していることが、本当に自分の考えなのか、脳内の変化が引き起こしいている幻なのか、その区別が本人にはなかなか難しいのです。
この著者は双極性障害1型(いわゆる躁うつ病)とのことです。炭酸リチウムの治療が如何に大切であるかを強調されています。今、多いのは双極性障害U型と言われる病態であり、薬物療法の選択肢も増えています。気分障害で治療中の方、あるいは気分の変化に戸惑っている家族の方が、読まれると病気の理解が深まると思います。
躁うつ病を生きる―わたしはこの残酷で魅惑的な病気を愛せるか?
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