パニック・ディスオーダー入門 不安を克服するために ブロンウィン・フォックス著

パニック障害は、非常に多い疾患です。本人はひどくつらい思いをするのですが、体の調子がおかしくなったと感じるため、通常は内科を受診します。そこでは、どんなに苦しくても、なんど検査しても「検査では異常がない」と言われるだけです。途方にくれて、最後に心療内科や精神科を受診して、あっさりと「パニック障害ですね」と言われます。しかし、問題はそこからです。診断がつく前の大変さから、診断がついてからの大変さに移ります。今はSSRIというよい薬があるので、強い症状は薬物療法で改善することが多いです。しかし、一度失った「自分は大丈夫」という無条件の感覚を取り戻すことは、簡単なことではありません。症状への対処を間違えるとこじらせてしまうこともあります。パニック障害の治療上、もっとも大切なことは、回復への正しいイメージをもつことです。この本は、正しい治療イメージを持つために有用だと思いました。それは、著者自体がパニック障害の経験者であり、オーストラリアパニック不安障害協会を設立し、多くの人の援助をしているため、医学的理論ではなく、極めで実際的に役立つ内容だと思います。
パニック・ディスオーダー入門―不安を克服するために